2月20日 田中准教授が参加する研究チームがプレスリリース。草原生態系は微生物資源の「銀 行」

草原植物が支える共生微生物の驚くべき多様性―草原生態系は微生物資源の「銀行」―

京都大学生態学研究センター 東樹宏和准教授、森林総合研究所 黒川紘子 主任研究員および筑波大学山岳科学センター 田中健太 准教授らの研究グループは、植物の種多様性が極めて高い長野県菅平高原において137種の植物を網羅的に調査し、その葉や根に膨大な種類の細菌(バクテリア)と真菌(かび・きのこ・酵母類)が共生していることを見出しました。

現在、日本各地で急速に草原が失われつつあります。

その一方で、草原生態系に関する人類の知識はまだ乏しく、草原が私たちに与えてくれる潜在的な機能やサービスに関して未解明な点が多々残されています。
今回、植物の葉や根に共生する微生物の集まり(微生物叢)を網羅的に分析するため、「DNAメタバーコーディング」という手法を適用しました。その結果、日本列島でわずかな面積しか残されていない草原生態系に無数の微生物が息づき、人類社会存
続の要とも言える創薬や持続可能型農林業への応用が期待される微生物が数多く含まれることが判明しました。137種の植物種ごとに示された微生物叢のデータは、それぞれの植物種を保全する意義の客観的評価につながると期待されます。

本研究成果は、2019年2月20日に国際学術誌「Frontiers in Microbiology」にオンライン掲載されます。

詳細はプレスリリース資料をご覧ください。〉〉